ノーバス武蔵小杉校の水沼です。今日は奨学金について調べてみました。
日本では近年、"大学・専門学校に行かなければ就職が難しい"という概念が打ち立てられ、多くの高校生が進学の道を選択しています。そこで高額な入学・授業費用を目の当たりにすることで奨学金を借りようという自然な流れが形成されています。
奨学金には第一種と第二種という区分があり、大雑把に両者を比べると利子の有無ということになります。そして利子の無い第一種を希望しても、成績・両者の年収などが条件を満たしていないと判断されれば利子のある第二種にまわされてしまいます。この結果、現在奨学金を借りている人の7割が第二種奨学金を借りているようです。この利子が国の予算等に充てられています。単純に考えると、もし高校卒業後すぐに就職する人間が増えれば当然給与を支払わなければいけないので国としては支出が増加しますが、一方進学する人間が増え奨学金を借りる人間が増えれば利子で予算の一部を得られることになります。国としては有利子の奨学金は非常においしいものになります。
海外に目を向けてみるととりわけヨーロッパでは大学の授業料無償を掲げている国もあり、そうなれば生活費などに充てられるであろう奨学金を"返済の必要がないもの"と捉え、返済を求めない国まであります。日本では第一種でさえも返済が条件となるのでその差は歴然としています。またイギリス・オーストラリアでは所得額で返済額を決定する制度を採用しているようです。具体的には大学卒業後に安定した収入を得ることができ比較的余裕のある生活を送っている人には少し多めに、逆に安定した収入が得られず苦しい生活を送っている人には少なめに返済を求めるというものです。つまり国全体でリスクのシェアリングが行われています。日本では大学卒業後、安定した収入が得られない人にも"借りたものは返せ"と言わんばかりに返済を求めています。月々の返済に困り、返済が滞ってしまった場合にはある程度の猶予は与えられるものの長期間そのままだった際には日本学生支援機構(奨学金の貸付を行っている)が訴訟を起こした例もあるようです。また3ヶ月返済が滞った場合、個人信用情報機関への個人情報の登録が行われ、クレジットカード・住宅ローンの利用が制限されることもあるようです。
まとめると"表面上では進学のために一般家庭を助けていると思われがちな奨学金というものは理論上、国の多額な負債返還における一要素である"といえると思います。できることであれば本来奨学金というものは"学習意欲のある学生に対する経済的援助"なのだから貸与制にするにしても利子が発生するのはおかしな話なので国に改善を図ってもらいたいわけです。
ただし大学・専門学校で本気になって学び、そこでしか得られないものが得られればそれはお金にかえることのできない財産になるのではとも思います。しかし友人の話を聞いていると、自分も含めた多くの学生がただなんとなく大学に通っているのではと感じます。
日本の雇用状況・学歴社会・財政難を考えると、これからも高校卒業→進学→就職という流れは継続していき、この状況を独力で変えていくのはかなり厳しいと思います。そこでお金を払う以上、進学したのなら学べるもの全てを学ぶことが必要になってきます。
自分たち学生が大学へ通うことの意義について考え直してみる必要があるのではと思います。
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